六代目 蝶花楼馬楽 師匠編

 


馬楽師匠といえば随分と古い噺家さんということになるのでしょうね。

おそらくは、高座の姿を実演でご覧になった方は少ないのではないでしょうか。

席亭も全く拝見したことがありません。録音による声しか知らないのです。

が、好きな噺家さんです。上方と江戸落語の橋渡しの役目をした噺家さんという

ことになるのでしょうか。蝶花楼馬楽という名前は林家正蔵師匠も名乗っていた時代が

あるのです。たしか、志ん生師匠も数多い名前の中に蝶花楼馬楽の時代があったの

ではないでしょうか。たしか金原亭馬生師匠もそうだったような(?)

それにしても、「蝶花楼馬楽」という表記は落語家の名前のなかでは変っている部類

にはいっているようですね。蝶花楼という表記は別の書き方があったようです。

下記の表でも、「二丁蝋燭」や「からくりや」などは珍しい噺でしょうね。

テレビがなかった時代に、夜店などで見世物として「覗きからくり」などというものが

ありましてね、紙芝居のようなものですが、箱の中で、絵が次々に変って映るのを

箱の横についている窓から覗くというもの。「くしゃみ講釈」という噺にもでてきますよ。

夜店には「くじ引き」のようなものや、「六尺の大イタチ」などという見世物もでてるので

木戸銭十六文を払って中に入ると、なんのことはない六尺の長い板の中央に血が

ついている。だから「六尺の大板血」てなことになる。騙されたからといってお金を

取り戻すことはできないのがみそですね。。

 

 

六代目 蝶花楼馬楽

三人旅

六代目 蝶花楼馬楽

あくび指南

六代目 蝶花楼馬楽

反魂香

六代目 蝶花楼馬楽

応挙の幽霊

六代目 蝶花楼馬楽

二丁蝋燭

六代目 蝶花楼馬楽

転宅

六代目 蝶花楼馬楽

からくりや

 

「あくび指南」……………………・という噺

 

指南というは、今で言う「カルチャーセンター」のようなもので趣味・道楽を教えたり

するところでしてね。それもよりによって「あくび」を指南しようというのだから、落語らしい

ネタでしてね。

とある男二人。一方の男は稽古事が好きなのだが身につかない。三味線の師匠が

目当てで稽古に通ったりするのだから、直ぐに飽きてしまう。そんな中で出合ったのが

「あくび指南」という看板。珍しいので早速、入門ということになる。付き添いの男を入り口に待たせて指南が始まった。

「あくび」を教わること自体がおかしいのに、それをお金を貰って人に教えようというの

だから、話はおかしくなる。確かに先生の方は「あくび」の仕草がどうにいっているが、

教わるほうは大変でして、「あくび」の演技などをしなくてはならない。

先生のマネをしようとすればするほど「あくび」にならないのは当然のこと。

まあ、教えるほうもはなからまともじゃないのだからうまくなるはずなどない。

そのうちに、付き添いの男がね、飽きてきたのか、玄関のところで、

「あーーーーーぁ!」と本物の「あくび」をした。

「ほうーーぅ。お連れさんの方が飲み込みが早い。」

 

「反魂香」………………………………・という噺

 

夫婦愛を取上げた噺でしてね。筋はおいませんが、越中富山に「反魂丹」という薬が

あるそうでして、これを捩りまして「反魂香」というとか。

魂を反す香(線香)のことでしてね。亡くなった愛妻の霊を呼び出すための香です。

いい噺じゃないですか。夫婦物というと、「厩火事」や「悋気の火の玉」「芝浜」

「穴泥」「替り目」「お初徳兵衛」、一歩手前で「宮戸川」などなど…・

現代の落語ではなかなか題材になりにくくなった夫婦物ですよね。

機会があれば聴いてみて下さい。この噺は三笑亭可楽師匠ものが定評があります。

 

 

 


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