立川談志師匠独演会 IN 大阪


11月17日(土) 立川談志師匠 独演会 大阪厚生年金会館

午後六時三十分 幕は上がった

高座右手から家元の出。

また少し痩せた様子。 楽屋には月亭可朝師匠と横山ノックさんがきてくれたことが
切り出された。上方においての家元の評価というか立場があらわれている。
米朝一門も松鶴一門、春団治一門も姿を見せることはなかった。
大阪では家元をこのように扱っているのかと思わせられた。
落語界には敵が多い家元ではあるが、このようにあからさまだとはね。
でも客はわかっていますよ。何が本物かをね。大阪の客はどうなのだろうかと
心配したけど、入りも上々でした。
若い人が多かったのも、落語はまだまだ大丈夫だと思いました。

一席目は「天災」でした。内容は他の落語家とは違います。
「べにらぼうなまる」なんていう人物がでてきますね。わけのわかったようなことを
言うけど、なかなか実行できるわけではありませんでしょ。言ってることは間違いないけど
あんな人はいませんよ。ないたり笑ったり、喧嘩したり、仲良くやったりするのが人間だ。
ということを家元はやってみせました。八五郎と「べにらぼうなまる」とを対峙させるのですね。
八五郎が「べにらぼうなまる」を殴ったりします。それでも「べにらぼうなまる」は怒らない。
怒れないのでしょう。だんだん八五郎の言っていることが正しいのじゃないかと
思ってきますよ。
家元は大熱演でして、オーバーヒートしています。喉の調子がかなり悪いようです。
無理されているなということが客席でもわかりました。一時間の熱演でした。

二席目は、なんと、まくらに「夕立勘五郎」を聞かせてくれました。
初めて聞く客が多かったようですが、これを生で聞けたのは幸運でした。
先日ラジオで金原亭馬の助師匠の高座を聴きましたがね。
それから、「富久」に入りました。ちょっと驚きましたね。
もう何度も聞いているので耳新しい部分は無かったのですが、異常なまでの
入れ込み方でした。やりすぎだと思った客もいたでしょうね。
旦那の店から火事の長屋に帰るくだりですが、文楽師匠のやり方とも
志ん生師匠のやり方とも違っています。どちらかというと志ん生師匠のやり方に
近いのですが。もっと凄みがあります。

二席が終わって挨拶がありました。
「一期一会」などといっていた師匠が、もう人生の終焉が近いことを客に告げました。
辛くなりました。志ん朝師匠を失い。家元までも失うのかと。
ホテルまで歩いて帰ることにしたのですが、時刻は九時半。歩道を歩きながら
寂しさが襲ってきます。もう会えなくなるのかと。
来年の一月、亀有での独演会で再会を祈っていました。



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