気に入っている作です
逢うてなお 時を残せし とおり雨
亡き人が 戻りてありか 鳥一羽
寝たきりの 妻を残して 老夫逝く 二人寄添い 西に旅立ち
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想いゆくまま、たどりしまま、時を越え、在りし思いを言霊に、
たくして、ここに、のせくる日々。今や、あらん 歌えし、歌う皆集え。
久しぶりに一句空っ風 押され突き抜け 思いは宙に
あじさいに ひそみし野猫 雨宿り
見上げても 散るはずもなく 草のうえ
友達も そろそろそろと 西にゆき
鳥の声 寝覚めつつなを 夢みたく
人生の ゴミを集めて 円くなり
サラリーマン 年貢を月賦で 払いおり
初春に 母を送りて 酒淡き
初詣 神や仏も 舞い踊る
金木犀 嫁ぎし娘の 便りなる
木染月 犬の吐息も 静かなり
滾入れる 墓標に根ざし マンジュシャゲ
白骨樹 時酷きかな 独り立つ
日傘差し 紫陽花薄き 季節なり
信玄の 夢を残して 躑躅咲き
掛け取りの 仕事納めや 除夜の鐘
やはり夏 犬の喘ぎは 気温越え
空梅雨に 蛙空見て べそをかき
庭いじり 妻の背中に 仏みゆ
このままで いたいからねえ 遊ぼうよ
うす桃の 霞たなびく 堂の庭
木戸引きて 光の春を 手に受ける
新たまを もはやもはやと 迎えおり
蝉も去り 落ち葉を燃やす うつうつと
もういいかい もういいよ もういいよね
花見上げ 親父と一献 一人酒
あの時と この時の歌 哀しけり
亡き父の 魂を抱き 山眠る
ふんわりと ふたり湯船に 月浮かべ
あの夏も ざわわざわわと 揺れ映り
幼な子が どらやきと言いし 花火かな
業なのか 骨と肉とが 嫉妬する
河童の子 瀬に逆立ちし 空見上げ
さえずりに まどろみながら ふんわりと
夫婦あり いかほどの時 過ぎてしか 泣くも笑うも 手のひらのうえ
枝ゆれる 風か木霊か 立ち暮れて
老夫逝く 農神さんと 畑しごと
散りゆくも 骨を抱いて 立つ桜
まぼろしに 立ち尽くすのみ 花の下
しじまを越え 風よ送れよ 君と吐息 心に包んで 送り返さん
死ぬ覚悟 逢ってみたいな 雪女
着ながしで 江戸っ子文治 天に逝き
かの人に 見せてやりたき 梅ひとつ
歌姫に 光寄り添い 夜会あく
年暮れて いろはいろはを 思いけり
せめて今 寄り添う風に 誘われて
時を越え 移ろいゆき 歌人の 青き衣も 袖を枯らしつ
北斎に 引かれてたどる 夢紅葉
薄曇り 紅葉哀しや 人ごころ
蝉法師 つくつくつくと 経を読み
まんまるく ふぃんわりと 月ながめ
蝉落ちて 七日の夏も 惜しみゆく
送り火に ほのかに残る 想う影
泳ぐ子に 日ながいちにち つきあえり
青すだれ あけて枝越し 月うかび
畦に立ち ほのかに香る 後れ毛の うなじ浮かびし 蛍火ゆれて
想い出も 夢も盗みに これんやろ
菱落ちる 躑躅がさきに あわれみち
花なりて 呑まれてこそぞ うれしかろ
花嵐 熱燗片手に 手をあぶり
枕辺に 身をゆだねつつ 花衣
この歳で のらりくらりと 花を待つ
花嵐 ゆきくれてなお 場末なり
もの悲し 江戸の調べに うつけおり
窓の灯に たどりつけぬか すさび立つ
もの悲し 何を語るか もがリ笛
凍月夜 下は浄土と 思えけり
B> 見つめてる 瞳の淵に 遥かなり
わからぬか 崖っぷちなのに 笑ってる
年暮れて 明日は昭和の ロマン追い
もういいかい もういいよ もういいんだ
聴こえてね 色っぽいやね そこのひと
あの人に 似ているだけで 月見草
寄席はねて 与太郎気分で 街ふらり
吹きすさび 抜け殻だけで 畦に立つ
物がいる いさせてもらう 少しだけ
亡き人の 姿をかさね 風の盆
勢いを 殺がれてもなお 夕立ぬ
風薄く 身を映してか 陽炎ぞ
梅雨寒も 字づらと化して うすれるか
人は移ろう 雲はながれず 時も巡るのみ
満月に 花の繭にて 埋みたく
もういいかな と思える自分が 可愛いよ
音もなく ざわわざわわと さとうきび
何もかも 思い出となり 老婆いる
人にこそ 超えてはならぬ 域はある
道端を 思うことあり 左がわ
山沈み 風さわぐ夜 伏せし身に
山の背に 雲を残して 空っ風
名残り惜し ホームの人へ アイメール
生き様が 羽織袴で 高き座に
星ながれ 時空を受けて 我ここに
いろり端 老婆の語りと もがり笛
月冴えて 山を背にして 木々踊る
雁のこし 小枝を拾い 手向けの句
おぼろ月 彼方の人は 何思い
ふんわりと みゆきと一緒に 月迎え
月の下 木鼓の響き 影うかれ
秋霖の 彼方に去りし 夏の波
甘酒を 井戸から上げて 冷やで呑む
冷たき酒 ふくませ頬に 薄化粧
まほろばの 時を移して 歌姫をり
断ち切れし いのち 残されし 声を聞け
幼子の 葬送の中 蝉時雨
編み持たぬ 子らを横目に 蝉はしゃぎ
浴衣着に 沈みゆく頬 薄化粧
笹の葉に 託せし夢も 日々おぼろ
時尽きて 耳に残りし かわずなく
のど仏 落ちて椿の 花の上
降りしきる ガラスに浮かぶ 面影に 時を移して なおときめきてBR>
梅雨寒に すずめの褥 何処なり
薄衣 いだけしものを 消し去りぬ
時は去り 暮らしを残し 想いあり 未練ながらも なお捨てがたく
薄灯り 浴衣の乱れ 匂い立つ
江戸っ子の 見えの張り場か 初かつお
あさり獲り 千鳥に見えし 浜名の干
ときめいて 牡丹に浮かぶ 長谷の寺
吾子が今 大人へ巣立つ 入学式
地も揺れて 政定まらじ なお民動かず
壁を背に エンヤの詩が 響きいる
夢去りて 荒野におつる 曼珠沙華
夕暮れに ひとり田の中 バスを待つ
春乱れ 彼の声なくも 思い玉
雪灯かり 恋しき影を 追うばかり
おだやかに 生きたくもなお 捨てきれず
荒波よ 我が想いめめし 雪で突け
寒月が 窓越しに在り 高き部屋
他を助け 自らは死す 人何処
天空に 命ありせば いとおしく
震災の 地獄の中に 仏みゆ
衆生から 離れてなにが 仏法ぞ
出家をば さそっているか 華浮かび
霜柱 踏みたくなるも 温暖化
若者に 移植をしたき 自制心
新世紀 人道の勇を 歩みたく
坊さんが 何で走るか 大晦日
雨のイヴ 雪に変わらぬ 時が来る
江戸の町 掛け取り行き交う 大晦日
新世紀 消えゆくものを 想いつつ
幻灯に 浮かび上がりし 聖夜かな
神ほとけ おくびにもなき 人達が
サンタなど 知らずに眠る 子もいるに
賑やかな 通りを見つめ すきま風
キリストに 釈迦が遠慮の クリスマス
誕生日 ようこそここに 娘いる
人恋し おのれの心 いかばかり
寺に立つ 木霊を浴びて 歩き出し
人がいて 仏が在りと 思えるも
寒月こそ 凍てつく心を 温めるのに
雪の里 裸・温もり 床の中
花の無き 季節を埋め 雪の舞
離れてる 声を聞いてる 会いたいな
寒桜 咲いているのに 暖かく
秋ゆきて 我が心まだ さめやらず
生まれいで 光を受けきり 闇に死す
逢えぬなら どうぞこのまま 想い切る
寝たきりの 妻を残して 老夫逝く 二人寄添い 西に立つ
いにしえの 想いを抱きて 今に生き
時化の海 船のうねりに せめて今
もう少し 座敷わらしよ 遊んでき
水生まれ 集まりて今 母の元
今朝秋に 眠りを蹴られて 夢惜しく
生き様が せめて今こそ 一会とは
病み伏して どうぞこのまま 蝉しぐれ
せめて今 想いを守って 時埋め
せめて今 行く時のまま とめたくも
せめて今 鳴き音を残し 虫おくる
欲さずに 流れるままに 生きたくも
しがらみが 蠢く下界に 星月夜
夢をみる 逢いたき人に 会いたくて
会いたき人に 香をさしむけ 盆の入り
熱き心 重ねた影に 星会いて
業火去り 月赤く燃え 子らが逝く
雪煙り 影一つゆれ 冬花火
四国路を 影を残して 二人連れ
梅雨の色 花濡れてなお 妖艶に
心枯らし なおも生きるか 若人よ
西に立つ 残照の中 仏あり
ラジオにも オアシスがあり 深夜便
散り残る 花を惜しみつ 朱をふみし
旅終えて かの地の時は 夢となり
さくさくと しゅんしゅんと 道があり
時すぎて 花を浮かべる 杯もなし
花の下 うかれうかれて うさばらし
花比べ 梅と桜が 果し合い
ふと時を 想いめぐりて 人あらん
ぼんぼりと 花明かり 浮世だつ人 さびしくも
いつもあり 今もありて めぐりきて
逢うてなお 時を残せし とおり雨
街灯を 月とみまごう とうかんや
スイミング 終え木枯らしに 汗ばみつ
こおろぎが 月を求めて 露のした
月おぼろ 過ぎゆく時も もはやそこ
桜(はな)の根 の うえは宴か 骨いだき
星二つ 如月の夕 ランデブー
地嵐に かき消されて 影が行き
ところてん 生まれ変われよ 大寒に
浮世をば 覗きみようと 霜が立つ
いとしき人 夢とともに 時は止まり 夢はさめて 時移る
いとしき人 陽炎に浮かぶ 夢うつつ
さびしいか 窓越しの月 さびしくて
花冷えに 桜に包まれ 歩きおり
雪かぶり 桜も冬を 垣間見る
うすぐもの 花のかかりて 御霊あり
農夫去り 華やぎの下に 桃の轍
おぼろなる 墨画を浮かべ 雪ふりぬ
除夜の音を 可楽と聴いて 鍋つつき
秋寒に 温みしものを 月戻し
秋深く 月の光で 影を踏み
亡き人が 戻りてありか 鳥一羽
蝉やみて 虫の音をきく 無常なる
風景の 絵が溶け込みし 秋の日入る
短くも 夏を生きぬき 蝉逝くか
夏ゆくか 波打ち際に 影ひとつ
時移り 惨禍の跡々 失せしかな
こけむし時間 狂った光 おぼろなり
木下闇 体は融けて 木の中に
この暑さ 嫌われものの 梅雨を乞い
気を病みて やっと明けゆく 雨の時
いつもの梅雨 敷き詰められし 傘の色 人の暮らしが 下にある
遠き山 かすれて入り日 闇を引き
五月嵐 消えゆく春が 蠢きて
春寒の 木漏れ日淡く ゆらめいて
春雷の 閃光と闇 戦火たり
通知票 さしだす向こう わが娘の笑み
眼下の星に 祈らんものを 身は滅び行く
今にしか 想いとどめし 花のあと
時すぎて 首里の上に 日喰わむ
風香り 声やわらかに 響きいる
宴ありか 戸口に立ちて 戻りおり
春一番 みゆきの詩が かけめぐる
春が立つ 行合坂を 歩きつつ
花灯り 宵にたなびく 吉野山
寒月が 手のひらの 上にある
遠き街の灯 眼下の灯 佇みて思い入る
人を想い 時を想う 今にして在りか
南にて散る 時移りて 埋ずみゆく
噺をする 目の前にあり 黒門町
せつなくて やがて悲しく 人想う
雲往きて 西に旅立つ 仏子あり
一人おり なにもなく ひとり居り
誰が作りしか スリッパを じっとみる