「一人酒盛」

 


上方落語では何といっても六代目 笑福亭松鶴師匠でしょうし、東京落語では六代目 三遊亭円生師匠でしょう。

同じ外題となっております。

特に六代目 笑福亭松鶴師匠の高座は絶品ですよ。師匠自身が無類の酒好きでしょう。

落語には酒好きの人物がなんと多く出てくることでしょうか。

下戸を探すのが難しいくらいですよね。

さてここで、落語の中の酒豪をランクアップしてみましょうか。異論はあろうかと思いますが

独断と偏見でいってみますよ。

 

  第一位:「試し酒」の奉公人・・五升+五升の酒を飲んでいた御仁ですな。

  第二位:「槍さび」:三亀松師匠の粋談。です。丸橋忠弥の男意気でしょうか。

  第三位:「親子酒」の親子でしょう。「夜とともに意見をする」「ぐるぐる回る家はいらん」とかねぇ。

  第四位:「蜘蛛駕篭」からかう客でしょうか。「あらくまさん。・・・・・・」

 

他にもね、「大山参り」で酔っ払ってね、喧嘩してる奴とか、飲んで帰ってきて女房に「おでん」」を買いに行かせる奴。

「芝浜」の勝っあん。「二番煎じ」の町人・役人などなど。好きな連中は多いですねぇ。

 

さて「一人酒盛」ですがね。酒飲みの意地汚さがよく現れている噺なんですな。

脇から良い酒をもらった男が居ます。無類の酒好きですね。つまみなんてなくたって一升くらいの酒は

やってしまうのですが、何を思ったか友人を誘ったのですよ。「一緒に飲まないか」てな具合でね。

誘われた男も酒が嫌いじゃないから仕事があるのだけれど応じてしまいますなぁ。わからないでもないですよ。

誘われた方は多少なりとも気を使いましょ。肴でも買ってきようじゃねぇいかと出て行きますね。

一方、はなからひとったれとも酒なんぞ分けてや楼なんて思っていないさきの男。

五合しかない酒ですよ。それも灘の上物ですからねぇ。

友人になんやかんやと言いながら酒の燗をさせてね、自分は一人で飲んでいるてな調子ですよ。

当然ながら友人は怒りますよ。誘われたのに一滴も飲ませてもらえないのですからねぇ。

酒を飲んでいる男と友人のやり取りがこの落語の醍醐味ですね。

六代目 笑福亭松鶴師匠は地でやっているような気がしてきますよ。

六代目 三遊亭円生師匠の方になるとねぇ、あまりにもリアルでね。なにもそこまでと思わせられる場面もある。

これぞ六代目 三遊亭円生の芸ですから、実にねぇ、いいですよ。

 

「一人酒盛」は五代目 柳家小さん師匠もやっておりますね。でも「猫の災難」のほうが柳家らしくていいですね。

 


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