春風亭 小朝 師匠編

小朝師匠の収録数はかなり多い。やはり現代の売れっ子噺家である。
収録の機会も多くなってくる。五代目春風亭柳朝師匠の弟子である。
小朝師匠は噺家になろうとした時に、談志師匠に入門することを考えた
そうである。しかし談志師匠からは断られたそうである。
もし談志師匠門下であったなら今とは違う芸風になっていたのだろうか。
小朝師匠は真打ちには「何人抜き」とかいうことでスピード出世した。
柳朝師匠の入門した理由は知らないが、良い師匠に師事したと思う。
若くして亡くなられたが柳朝師匠は当時のホープで、江戸っ子の噺だできる
数少ない一人である。柳朝師匠については近々掲載する予定です。
小朝師匠の芸風は“色っぽさ”にあるのと、枕の見事さである。
枕は噺家のスタンスが如実に現れる部分で力量や勉強の度合いが露見するので
客にとっても真剣勝負の所なのだと考えている。お囃子にのってでてくる噺家
をのんびり眺めていては客として失格であろう。固唾を呑んでとは大げさでない
にしても、枕から、どのようにして噺に入るのか、下げにつながる説明を
入れようとしているのか(このやり方は好まないが)、世評を噺家の視点で
しゃべっているのか。「枕は真剣勝負」である。
枕の聞きごたえがある噺家は、談志師匠、小朝師匠、志ん朝師匠、小三治師匠
その他には、志の輔、志らく、談春・・・どうも立川会が多いなあ。
上方では米朝師匠、枝雀師匠。
亡くなられた噺家では、何といっても志ん生師匠、先代馬風師匠、先代文治師匠、
先代金馬師匠、先代文楽師匠は枕は無かった噺家でしたね。
現代の若手噺家の中で小朝師匠や春風亭昇太などは、枕の良い噺家である。
談春や談生なども有望株であろう。立川会は師匠の指導もあろうが、「今に
生きる噺」「現代を語れる噺」を指向しているので、枕の勝負は言わずもがな
ということか。
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春風亭小朝 |
星野屋 |
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春風亭小朝 |
子ほめ |
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春風亭小朝 |
源平盛衰記 |
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春風亭小朝 |
皿屋敷 |
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春風亭小朝 |
たがや |
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春風亭小朝 |
宗論 |
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春風亭小朝 |
片棒 |
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春風亭小朝 |
湯屋番 |
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春風亭小朝 |
品川心中 |
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春風亭小朝 |
愛宕山 |
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春風亭小朝 |
寛政力士伝 |
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春風亭小朝 |
池田屋 |
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春風亭小朝 |
紀州 |
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春風亭小朝 |
宮戸川 |
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春風亭小朝 |
辰巳の辻占 |
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春風亭小朝 |
片棒 |
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春風亭小朝 |
元禄女太陽伝 |
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春風亭小朝 |
つる |
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春風亭小朝 |
岸柳島 |
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春風亭小朝 |
ねずみ |
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春風亭小朝 |
目薬 |
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春風亭小朝 |
疝気の虫 |
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春風亭小朝 |
ひなつば |
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春風亭小朝 |
茶飲み話 |
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春風亭小朝 |
地獄八景 |
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春風亭小朝 |
動物園 |
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春風亭小朝 |
豊志賀 |
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春風亭小朝 |
七段目 |
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春風亭小朝 |
女のしあわせ |
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春風亭小朝 |
おばちゃんの宴 |
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春風亭小朝 |
お菊の皿 |
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春風亭小朝 |
大師の杵 |
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春風亭小朝 |
紀州 |
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春風亭小朝 |
持参金 |
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春風亭小朝 |
今時の日本 |
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春風亭小朝 |
死神(上) |
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春風亭小朝 |
死神(下) |
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春風亭小朝 |
人妻の憂鬱 |
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春風亭小朝 |
香に迷う |
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春風亭小朝 |
元禄女太陽伝 |
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春風亭小朝 |
はりまやばし |
「星野屋」・・・・・・・・・・という噺
他の噺家がやっているのを知らない。噺の題材に「旦那とお妾さん」が
でてくるのは多い。「悋気の独楽(火の玉)」はその代表作であろう。
星野屋の旦那はお妾の本心に疑いを抱いている。本当にお妾さんが自分の事を
本気で想っているのだろうか。心配でしょうがない。
そこで出入りの幇間の一計を用いてお妾さんの本心を探ろうという訳。
こう話を持ちかけた。「星野屋の商売がだめになった。旦那は死んでしまおうと
考えている。普段から世話になっているのだから、あんたも旦那と生死を共に
できるだろ」と。「そんなことは当然だろ。」ってことで、旦那と二人で
大川に飛び込もうということで、橋からさっさと旦那は飛び込んでしまう。
お妾さんの本心はそんな気などない。さっさと自宅に帰ってしまう。
しかし、これは狂言で旦那は下で待っていた幇間が乗る船に助けられていた。
幇間と一緒にお妾さんの家に向かった旦那。幇間がお妾さんにこう言う。
「あの旦那が川に飛び込んだそうだよ。さんざん世話になったおめえだ。
旦那に謝る気があるんだったら、自慢の髪を切ったらどうだい。」
「へっそんなことは簡単だよ」と、お妾さんは裏で髪を切ってさしだす。
そこで幇間が一言。
「へっ、おめえも馬鹿だな。旦那の飛び込んだ後に飛び込めば、俺達が下で
受けとめてやったものを。それに旦那は水練の達人だぜ。川におぼれて
死ぬわけがねえだろ! 正直に飛び込んでいれば今頃は店の一軒でも
持たせてやろうと旦那は思ってたんだぜ。」
「あんたも単純だね。髪は女の命だよ。本当に切るわけがないじゃないの」
「あ、この野郎。又だましやがったな。ふん、そんなことじゃないかと思って。
旦那がこの前、おめえにやった30両は、遊びの時に使うニセ金だよ」
「あらまあ、よくもたくみやがったねえ。こんなお金なんか返してやるよ」
「うふふふ。赤子の手をひねるようだね。旦那が本当にニセ金などを作ったら
後ろに手が回っちゃうだよ。この金は本物だぜ」
「あらまあ、悔しいじゃないか。よくも・・・・おっかさん、さっきのお金は
本物だったんだよ・」・・そこで、このおっかさん・・・
「そんなことだと思って3枚だけくすねといたよ」・・・・というオチ。
おっかさんの方が一枚上手だったという訳。
「死神」・・・・・・・・という噺
この噺は円生師匠の高座が有名であろう。この題材は外国の小説か何かにある
ということだがあまりよく知らない。
人間の寿命を蝋燭の長さに例えたストーリである。
ある遊び人。金が無くてウロウロしていると、みすぼらしい老人に呼び止め
られる。「儲け話があるからやってみろ」という。自分は死神であり、病人の
床には必ず死神が座っている。足下に座っている時は病人の命。即ち寿命は
あるので、助かるが枕元に座っていたら寿命は無いので、いくら手当しても
もうだめだ。・・・と言う。「足下に座っている死神を追い払う呪文があるので
教えてやろう」ってんで、その呪文「アジャラカモクレンテケレッツノパア」
というのを教わった男は早速、自宅に医者の看板を架ける。とまもなく大店の
番頭がやってきて、「旦那の様態がはかばかしくないので、易者にみてもらった
ら、こちらの方角で最初にあたった医者に診てもらうようにとのことで、
やって来た・・・と言う。
早速出かけた男は大店の旦那の部屋に通される。旦那の寝床をみると死神が
足下に座っている。しめたと、例の呪文を唱えると死神は驚いて消えてしまう。
その瞬間、病に伏していた旦那の様態が急に良くなり全快となる。
店の者は喜んで礼金ということで数十両差し出す。
味をしめた男、次から次と病人を診るが皆、足下に死神が座っているので、
治してしまう。江戸中の評判になって引っ張りだことなった。大金を手にした
男は女を連れて京見物に出かけるが、金など直ぐに使い果たして、金の切れ目が
縁の切れ目で女も逃げだし、一文なしで江戸に戻る。
また医者を始めれば直ぐに儲かるとたかをくくったが、診る病人診る病人が、
皆、枕元に死神が座っているのでどうにもならない。礼金など入ってこない。
困り果てた男は一計を案じる。・・・・・・・
枕元に座っている死神がうとうとした瞬間に病人の寝床を180度回転させて
足下に死神を座らせようという魂胆である。気の利いた若い者を四人四隅に
置いて男の合図で回転させた瞬間に呪文を唱えると、死神の驚いたことやいかん。
「あっ」と言って消えてしまった。喜んだ店の者は千両という大金を差し出す。
それはそうだろう。もう寿命が無いのを無理矢理助けたのだから。
大意に満面なって帰る男の前に例の死神が現れる。
「良いところに連れて行くから、付いてこい」という。
暗がりの洞穴みたいなところに入っていくと、一面に蝋燭がビッシリ灯っている
場所に出る。激しく燃えている物や、今にも消えそうなもの、威勢のよくない
ものなど様々である。いろいろある中で、今にも消えそうな一本があった。
老人に聞くとそれが、その男の蝋燭であるという。そんなはずはないと、
食い下がったが死神は、「さっきの病人の寿命とおまえの寿命が入れ替わった
のだ」という。(大金を引き替えに自分の命を失うという構図はよくあるが)
あわてた男は大金を差し出して新しい蝋燭をくれないかという。
死神は新しい蝋燭を差し出して、消えそうな蝋燭の火を移せば助かると言う。
男は真剣になって火を移そうとする。失敗すれば命はない。手が震える。
火はなかなかつかない。あせる男・・・・
<ここからは演者によって演出が異なる>
■円生師匠
あせる男に、「消えるよ。消えるよ。・・」
とうとう火が消えて、高座の上でバタンと倒れて・・死んだ・・・
■志の輔師匠
見事、新しい蝋燭に火がついてしまう。死神は「こんなわけはない。」と嘆く。
喜びいさんだ男は、手に新しい蝋燭を持って洞窟の外にでていく。
洞窟の外に出た頃、死神が「もう外は明るいから明かりはいらねんじゃない
か」と言う。「あ、そうだなあ」と
男は思わず、蝋燭をフッと消してしまう。その途端・・死んでしまう。
という演出をしている。
このほかにも小朝師匠なども違った演出をしているし、この部分は噺家の
工夫が見えるところである。