五代目 柳家 小さん 師匠編

 


ご存知、前落語協会会長、人間国宝、剣道の名手。“味噌汁のおじさん”

小さん師匠の登場となった。演目は数多い。柳家派の正統を歩んでおられる

大師匠だ。談志師匠の師匠でもあった。小さん師匠というと酒にまつわる噺が

思い浮かぶ。下記の演目でも、猫の災難、試し酒、禁酒番屋、親子酒、

一人酒盛り、ろくろ酒などがある。中でも試し酒などというのは豪快な噺です。

五升の酒を飲めるかどうか脇で五升を試し飲みをするという酒豪の噺。

「蒟蒻問答」という噺があるが、こればかりは、高座でしかわからない噺で

視覚に訴えるオチですから、ここで取り上げようがないのです。

小さん師匠の噺の中でも秀逸なのが、なんといっても「睨み返し」でしょう。

他の追従を許さないできです。孫の花緑さんが高座にかけましたが、

無謀そのものでしたね。この噺も高座ならではもので、取り上げにくい。

御自身を“たぬき”ということで、色紙などに狸の絵が描かれる。

演目にも「狸の札」「たぬき」などがあり、「権兵衛狸」などという噺や

米朝師匠の「豆だ」などがある。もちろん、狐についてもあって、「王子の狐」

「七度狐」「天神山」などなど。

それから人間の心理を巧みに描いた名作「笠碁」。

夜商人(よあきんど)の鍋焼きうどん屋のアイロニーを描いた「うどん屋」

珍演“百面相”は小さん師匠がTVで演じた貴重なVTRだ。

柳家といえば「粗忽もの」。この話は高座にかけられることが多く、耳慣れているせいか、

やさしい・簡単な前座でもできるようなネタのように思われるが、けしてそうではない。

「粗忽長屋」などはシュールなないようであり、相当難しいネタであろう。なにげなくやってしまうこと

の難しさがこの話にはある。「粗忽の釘」「粗忽の使者」なども同様です。

 

 

柳家小さん

狸の札

柳家小さん

蒟蒻問答

柳家小さん

猫の災難

柳家小さん

うどん屋

柳家小さん

大山参り

柳家小さん

試し酒

柳家小さん

珍演”百面相”

柳家小さん

笠碁

柳家小さん

親子酒

柳家小さん

禁酒番屋

柳家小さん

穴泥

柳家小さん

宿屋の富

柳家小さん

芋俵

柳家小さん

王子の狐

柳家小さん

睨み返し

柳家小さん

長屋の花見

柳家小さん

二十四考

柳家小さん

長者番付

柳家小さん

粗忽長屋

柳家小さん

粗忽の使者

柳家小さん

二人旅

柳家小さん

妾馬

柳家小さん

一人酒盛り

柳家小さん

たぬき

柳家小さん

紙入れ

柳家小さん

青菜

柳家小さん

ろくろ酒

柳家小さん

三人旅

柳家小さん

蔵前駕篭

柳家小さん

へっつい幽霊

柳家小さん

御神酒徳利

 

「穴泥」……………・・という噺

 

晦日もおしつまった江戸の長屋。例のごとく借金に困った夫婦。3両の工面に

方々をうろつくが、どうにもならない。と・・ある大店の裏木戸にでた。

離れで宴会をしていたらしく、部屋の中にはご馳走が並んでいる。

家人はどこかに出かけたのか、誰もいない。ふっと魔がさしたのか、部屋の中

に入り込むと、酒やご馳走を戴き始めた。なんとものんびりとしたものだが、

もともと泥棒稼業ではないからこんなものか。酒も進み次第に酔っ払ってきた

ころ家人が戻ってきて気づかれてしまう。

あわてたこの男、庭の中の穴に逃げ込んでしまう。実はこの穴。商家には

火事などのときの家財道具の避難用に掘っておくものなのだ。

もちろん蔵もあるが、日用品などはいれないから、この穴を使うわけだ。

なんとか泥棒を捕まえようとする家人だが、やはり怖い。そこで出入りの頭領

を呼んで穴から引き上げようというわけだが、この頭領見掛けに依らず臆病。

なかなか中に入っていけない。主人は強いといわれる熊さんを呼んで何とか

しようとするが、熊さんも見かけだおしときている。

こうなれば、お金で何とかしようと賞金をかける。

1両出そうといっても勇気がでない様子。とうとう3両でどうかということに。

そしたら穴の中の男。「3両くれるのなら自分からでていく。」

  

さてこの後、泥棒さんはどうなったのでしょうか?3両をうまくせしめて

無事、暮れを乗り切ることができたのでしょうか。

 

 

「たぬき」……………・・という噺

 

「狸賽」という演目で高座にかけられるが、同じ噺です。

博打好きの男。道端で子供たちに捕らえられいじめられている狸を助けた。

浦島太郎や鶴の恩返しとおなじで、この狸、男のところに恩返しにくる。

「恩を受けて返さないのは人間と同じになる。」といってのけた。

狸はお金に化けたり、鯉に化けたりするが、博打に使うサイコロに化けて、

指示どおりの目をだっそうという計略を思い付いた。

早速、博打場にいき、仲間がかけていない目をだしては儲けていた。

なにしろピンといば狸の化けたサイコロはピンをだすのだから、これほど

うまい話はない。連続して勝ちつづけるので不信におもった仲間は、

「次からは目をよんではいけねえ」とまったをかけた。

さあ困ったこの男。5が空き目だというのに言う事ができない。

そこで一計を案じた。5の目は「梅の花」に似ているので別名「天神様」と

いう。そこで男は「天神様、天神様」といって壷を開けた。すると

壷の中では狸が天神様の姿で立っていた。


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