三遊亭 小遊三師匠 編

 


中堅の噺家で、「笑点」の大喜利でおなじみの師匠です。「顔の良い噺家」がキャッチフレーズ。

ですが楽屋では泥棒に化けているというような噂が・・・・・・・・冗談ですがね。

比較的に軽い演目を高座にかけている。落語芸術協会の会長は桂 歌丸師匠で副会長が

三遊亭小遊三師匠ですね。「便所でお尻をふくかいちょう」なんてキャッチフレーズを変えたようでは

ありますが。三遊亭遊三師匠の弟子です。

下表にもあるように落語の演目でも中堅どころといえようか。ポピュラーなものばかりである。

ただしこういう演目を高座にかけるというのは意外に難しいのかも知れません。

聞き手の身にてたいそうな事は言えないが、そういうことかな。

「荷売り屋」などはご存知だろうか。あまり高座にはかけられない噺ではある

「持参金」などもそうかも。「宿屋の仇討ち」はおなじみで、宿の隣の部屋で騒ぐ町人達を

いさめようと嘘の仇討ち話をでっちあげておとなしくさせたという噺だ。

「無学者、論に負けず:という「やかん」。こんなものがあればギャンブルで安楽に暮らせるで

あろう「狸賽」。「蜘蛛駕篭」という噺は三遊亭小遊三師匠のお得意な噺なのかもしれません。

「あーら熊さん。」のフレーズが耳に残ります。

「山梨の黒人」はオリジナルですね。三遊亭小遊三師匠は山梨県の出身で、つい最近同級生が

市長になったとか。卓球が特技で国体に出場したこともあるようです。「落語卓球クラブ」を結成。

体調を崩していますが「こん平師匠」も所属しています。

「滑稽噺」を得意とするのでしょうが、いつか「人情噺」も聞いてみたいと思います。

 

「野ざらし」は三代目 春風亭柳好師匠のものがね天になっているけど、それを打ち破ったのが

談志師匠でした。これを上回る噺家が出てこないかと期待しているのです。この噺、現代に生かして

見事に現せるのをね。向島に釣りに行って骸に成ったお骨を見つけ丁寧に弔ってあげる。

夜中にお礼の意味で綺麗な娘がやってきた。骸の主ですね。これを聞いた長屋の隣りのやもめ。

柳の下のどじょうを決め込んで出かけていく。ここまでがプロセスでここからが工夫のしどころなのです

がね。どうやるのかなぁ。浮かれて釣り場をめちゃくちゃにする・・・・・・・・?おちゃらけるのですよ。

新しいやり方を見せて欲しいですね。上方の「骨つり」なども参考にできるでしょうし・・・・・。

三遊亭小遊三師匠に期待したいですねぇ。お願いしますよ。

 

三遊亭小遊三

荷売り屋

三遊亭小遊三

提灯屋

三遊亭小遊三

持参金

三遊亭小遊三

宿屋の仇討ち

三遊亭小遊三

千早振る

三遊亭小遊三

天狗裁き

三遊亭小遊三

味噌蔵

三遊亭小遊三

やかん

三遊亭小遊三

狸賽

三遊亭小遊三

お年玉

三遊亭小遊三

野次郎

三遊亭小遊三

蛙茶番

三遊亭小遊三

浮世床

三遊亭小遊三

幇間腹

三遊亭小遊三

出来心

三遊亭小遊三

引越しの夢

三遊亭小遊三

置どろ

三遊亭小遊三

蜘蛛駕篭

三遊亭小遊三

金明竹

三遊亭小遊三

船徳

三遊亭小遊三

崇徳院

三遊亭小遊三

幇間腹

三遊亭小遊三

文違い

三遊亭小遊三

ねずみ

三遊亭小遊三

浮世床

三遊亭小遊三

山梨の黒人

三遊亭小遊三

野ざらし

 

 

「天狗裁き}」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・という噺

 

この噺を最初に聴いたのは米朝師匠の高座であった。人の心の本音の部分を

面白く描いている噺だ。人身に上も下も無いということで、とうとう天狗の

神様までも同類という噺である。

長屋住まいのある男。昼寝をしていると女房にたたき起こされた。

「ちょいとあんた、うなされてたようだけど、なんか夢でもみたのかい?」

「うん、夢をか?夢なんか見ちゃいねえよ」

「そんなことはないよう。女房にも話せない夢でも見たんじゃないかい?

 話してご覧よ。」

「話せたって見ちゃいねえものは話しようがないじゃねえか」

「夫婦の間のこのあたしにも話せないのかい?悔しいねえ!」

「見ちゃいねえものは話せないってえことだい」

「畜生この野郎。馬鹿にするんじゃないよ!」

とうとう夫婦喧嘩が始まってしまう。

そこに間を割って入ってきたのが隣の男。

「また始めやがったのかい。しょうがねえなもう。いい加減にしねえかよ。」

「いいところに来てくれたよ。聞いておくれな。内の亭主は夢を見たっていう

 のに、女房にも話せないっていうのよ。悔しいったらありゃしない。」

「おいおいしょうがねえな。くだらない事で喧嘩しやがって。夢の事で喧嘩

 するなんて馬鹿馬鹿しいじゃねえか。おめえちょっと顔を貸してくんな」

と外に連れ出す。

「くだらねえことで。手をわずらわすなよ」

「ところで、おめえと俺の中はなんだったけなあ」

「そりゃおめえ、子供ん時からのだちだよ」

「そうだろ、そのおいらになら、夢の話をできるよなあ」

「なんだよ、おめえもか。だから見てない夢は話せないっていってるだろ」

「おい、この俺にも話せねえてか。この野郎」

と喧嘩が始まった。そこに通りかかった大家さん。

「また始めやがったな。通るとこれだからやんなるよまったく。喧嘩ばかり

 しやがって。おいおい、おめえたちどうしたというんだい。」

「ああ、いいところに大家さんが来た。まあきいてくんねえな。こいつがね

 女房にも話せない夢を見たというから、男同士でたちのおいらになら

 話せるだろうって、言ったんだ。そしたら見てない夢は話せねえて

 しらばっくれてやがんだ。あんまり腹が立ったもんだから、ついポカリと」

「くだらねえ夢の話でもめてんじゃねえよ。まったく。ここはひとつ

 あたしが、中にはいろうじゃないか。おいちょいときな」」と連れ出した

「女房にも話せず、友達にも話せなかった夢の話。この大家には話せるだろう」

「ちょいと待ってくだせえ。女房にもだちにも話せなかったって、本当に

 見てねえんだから、大家さんにだって話せないよ」

「大家と言えば親も同然。店子といえば子も同然だ。親のおれにも話せない

 てか」

「そうだよ」

「よしわかった。そんなら覚悟をしとけよ」と、代官所に訴えでた。

いよいよお白州の前でのお裁きとなる。

「夢の話を話さなかったというような、ささいなことで、余の手をわずらわせ

 るのは、けしからんことじゃ。きっとしかりおくぞ。」

「裁きはこれまでじゃ。一同立ちませい。」

「これこれその男。ここに残れ。わかったな」と人払いをして、

「ところで、女房にも、友達にも、そして大家にも話せなかった夢の話。

 この奉行になら話せるだろうな」

「ありゃ困ったなあ。お奉行様であっても、見てない夢の話はできません」

「なに、このわしに対しても話せないというのじゃな。あいわかった」

と、この男。とうとう代官所の庭の松ノ木に吊るされてしまう。

夜は更けて心細くなってきたころ。一陣の風とともに天狗が現れた。

「おい、人間。奉行も下らん事で仕置きしたものじゃな。わしが助けて

 やろうか。夢の話とやらを聞かせてみろ。そしたら助けてやる。」

「それが、見てない夢は話ようがねえんで。」

「そうか、どうしても話さないと言うなら、おまえの命はないぞ」

…よわったな、こんなくだらないことで死にたくねえや…てんで

「へい、わかりました。そうまでおっしゃるなら申し上げます。

 そのかわりといっちゃあなんですが。天狗様のその団扇を貸してください

 ませんか。」

「何この団扇だと。これは天狗の宝じゃ。貸すわけにはいかん。」

「そうですか。それじゃあ、夢の話をするわけには参りません。」

「ううん。…あいわかった。すこしだけじゃぞ。」と団扇を手渡した。

「この団扇さえ手に入ればこっちのもんだい。あらよっ」てんで団扇を

 扇いだものだから、すっとんでった。

「ああ。こりゃまたぬか。」

「くやしかったら、追いかけてみろってんだ。」

空を飛んでいると海に出て海原を一艘の船がやって来た。みると、宝船で、

七福神が乗っている。その真ん中に飛び降りた。

「やれうれしや。宝船のなかだ。わはっはっはあ。」

 

「ちょうと。起きておくれな。おまえさん。……・・

「うーーん。なんだい。」

「おまえさん、夢みてたようだけど。何の夢みたんだい。」

でオチとなる。

庶民も役人も天狗さえ本心は同じという。いわゆる「スケベ根性」というもの。

 


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