「粋談 柳家 三亀松 師匠」編

寄席には色物というジャンルがあります。江戸落語では落語以外の芸をいいますね。
寄席は落語が中心です。上方では漫才が中心でしょうか。
色物の中で代表的なものに粋談がありますね。三味線片手に都都逸や新内などを語っていく。
江戸の町には新内流しなどという職業もあった。
遊興と遊郭の時代には我々には想像もつかない世界があったことでしょう。
「男と女も世界」はいつの世も同じであるに違いないけど,国家権力が公的に認めている時代と
認められていない時代とがあった。
国家権力が認めようと認めまいと、その世界はいつの時代にもありつづけている。
善悪の是非を問おうとは思わない。男にとっても女にとっても、その世界が必要であったということは
紛れも泣く事実ではなかろうか。そこに人間の業があります。
そのような中から生まれてきた芸は多い。というか、この世界からしか芸は生まれていないと言えよう。
「落語とは人間の業の肯定」だといった立川 談志師匠。
「寄席とは人間の業の肯定の場である」と言い換えられよう。
では三亀松師匠の話題にいきます。
天狗連から入った。三五郎師匠の門下となった。「上野池之端の師匠」と言われた。今の桂 ざこば師匠が
朝丸といっていた若い頃には、三亀松師匠に非常に可愛がられたという。全盛期の浅草で売り出しました。
今の寄席ではほとんど聴けなくなった、三味線芸で新内や都都逸などをやる芸人さんです。
女流ですが、三遊亭小圓歌さんが頑張ってらっしゃる。
花街が華やかかりし頃を相当に遊んだであろう三亀松師匠。高座に立っているだけで粋そのもの。
声の色っぽさは格別です。
ここから先は、かなり大人の世界になりますので、わかる人だけ読んでください。
人によっては難しいかもしれませんよ。では…・師匠の都都逸の世界へと・・音はバーチャルでね…・
♪♪ 緋緬 肩から滑って 覗いた乳房 にっこり笑って 消す灯かり ♪♪
おわかりでしょうか。光景が思い浮かべば合格です。ではつぎに
♪♪ 吾妻橋とは 吾が妻橋よ そばに 渡しがついている ♪♪
浅草の吾妻橋では昔は渡し舟がありましてね。………・
♪♪ 東路の あの弥次さんは 何故遅い わらじが切れたか 門止めかと 旅は道連れ 世は情け ♪♪
これはちょっとむずかしいかも…・・
♪♪ もう一度 逢わせて下さい 逢うての上で 嫌なものなら 切れもする ♪♪
だいぶ色っぽい世界にはいってきましたね。
♪♪ 逢いたさを じっとこらえて また明日の夜と 心だまして 寝るつらさ ♪♪
現代の女性にも、わかる人は大勢いることでしょうね。
♪♪ ほととぎす 粋な声して ひとあしょ止めて 手をだしゃ お前は逃げるだろ ♪♪
♪♪ ねぇあなた もうこんなになっちゃったと 鬢(びん)かきあげて 忘れちゃいやよと 今のこと ♪♪
このくらいなると、もう大人の世界。十八歳未満お断りてなことに………
最後に席亭のすきな都都逸をいきましょう。
♪♪ 鳴くが情かよ 鳴かぬが情か 蝉とほたるの根比べ
草と寝て 露に濡れてる 果報をもって 何が不足で 虫は鳴く ♪♪
いいでしょ。
また良いのがあったら紹介しますね。