落語奇談「年忘れ風景」

プロローグ:
席亭さんには美知子さんという妻がいます。もう長いことこのシリーズに登場していないのですが。
レストランを経営しています。お静さんや吉静さんとはよく逢うのですが。美知子さんとは余り逢わないのです。
別居というわけです。二人の間には息子がいるのですが。逢わないのです。
事情はあるのですが、それはまたのことにして、席亭さんの心情の複雑さや生まれのことについては
シリーズのかなり前にさかのぼってください。
時は2008年12月。年末でもあり席亭さんは美知子さんの店に行くことにしました。
「今晩は。」
「あらまぁ。席亭さん。ようこそ。どうぞこちらへ。」
奥にあるいつもの席に案内された。
「今日はどんな風の吹き回しかしらねぇ。だいぶご無沙汰でした。」
「うん。まぁいろいろあってね。逢いたくなってさ。年の瀬でもあるしね。」
「年の瀬だから挨拶に来たってことなわけだ。」
「そんなわけでもないんだ。」
「席亭さんという方は自分の都合のいい時に逢いに来る。お静さんにも吉静さんにもそうでしょ。
貴方はそういう人です。十分解っていますよ。でもいいのよ。貴方らしいもの。」
「なんもいえねぇ!。」(北島口調で)
「馬鹿ねぇ。・・・・・・飲むのでしょ?ビールでいいの?」
「いやね。この頃仕事に詰まっちゃって・・・・・落ち込んでいるんだ。・・・・全然飲んでない。」
「貴方が飲んでないの・・・・・・!・・・・可哀想に、よほどの状態ねぇ。ちゃんと食べているの。」
「飲めないくらいだから・・・・・・・」
「痩せたわね。入ってきたときからそう思ってたの。美味しいものを作るから食べる?」
「・・・・・・・うん。戴きます。すまない。」
「そうねぇ。今日は“わたりガニの自家製パスタ”にしましょう。グラスワインくらいはいいでしょ?」
「あ・・・・・はい。ありがとう。」
ト書きです:
こんなに落ち込んでいる席亭さんも珍しいですねぇ。たんに仕事に詰まったわけだけではないでしょうに。
物書きの発想の原点。戯作者の、映像作家の・・・諸々の創作者の発想の原点の一つに・・「夢を見る」
というのがあるのではないでしょうか。この場合「夢」とは睡眠中にみる「夢」です。
これはけして他人に伝えることはできません。全くその人に帰属するものです。
「夢」を映像化する脳科学的な技術が将来開発されるかもしれませんが。嬉しくないですね。
なんであんな夢を見るのか・・・・見たことも無い風景や状況が展開されていることでしょう。
黒沢 明監督は「夢」という映画の中でオムニバス形式で世界を見せてくれました。
特に昼間の転寝で見る夢は妙にリアリティがあるように思えます。
落語「鼠穴」では・・・「夢は土蔵(五臓)の疲れだ。」というオチがありますが、内蔵の調子が悪いときには変な夢を
見るのでしょうかねl。
席亭さんはパスタを食べた。無性に美味しかった。ワインを飲んでいる。こみあげてくるものがあって泣けてきた。
そんな席亭さんを美知子さんは見てみぬふりをしていた。
食べ終わると、ワインのボトルが置かれていた。
「二人であけちゃいましょ。今日は酔っちゃいましょうよ。飲んで欲しい日本酒もあるのよ。」
席亭さんは涙が止まりません。
「店は閉めたのよ。他に誰もいないわ。気がすむまで泣きなさいよ。」
美知子さんは顔を上げて天上の灯りを見ていた。泣いているようだった。奥に入っていった。
すすり泣いているような気配があった。
席亭さんはじっとワインを飲み続けた。次第に気持ちが落ち着いてきた。
グラスにワインが注がれた。美知子さんが座っていた。
「今晩は私も酔いたいの。やりましょうよ。席亭さんも酔いつぶれてしまいなさい。ベロベロになっちゃえ!」
「よそう。また夢になるといけねぇ。」
(芝浜だね。こりゃ)
「さてと・・・・・・いつもの芝浜ごっこは・・・おわりにして。・・・・さぁ。飲みましょうよ。」
「美知子さんとこには“掛け取り”なんてのは来ないでしょ。」
「今の時代はないわよ。みんな振込みじゃないかしら。」
「月末とか25日締めとかになっているんでしょ。」
「そうね。」
「昔は掛け取り方式でね。昭和でも30年代は通帳で月末払いがあった。江戸でもそうでしてね。月末に勘定を
取りに来るのだけど、全額払い切れないときもあるでしょ。繰越ということになる。
しかし、大晦日には全額払うわけです。ここで借金を帳消しにするのだけれど・・・・そうはいかない場合が
ままあったのですね。」
「私のところはそういうことはないわ。ローンは別よ。」
「えらいね。健全経営だよ。」
「払えない場合はどうしてたの?」
「春まで待ってもらうように色々画策するんだよ。うまく機嫌を取って返すんだね。」
「どんなふうにするのかしら。」
「美知子さんならどうするかな?」
「やったことないものわからないわ。」
「例えばね。家賃の催促に大家さんがくるでしょ。雨露しのぐ家賃ですよ。滞納はいけないでしょ。でも払えないものは
しょうがない。そこでね、主人が急の病で亡くなったということにして官桶に入れてしまう。気の毒だてんで家賃は
またのことにと帰ってしまう。・・・・ところが年が明けると本人がその辺を歩いているというわけさ。」
「まぁ。そんなことですんだの?」
「勿論、そのうちには払うのだけれどね。」
「そうでしょう。」
「落語にはね。一度も家賃を払わないなんという“らくだ”なんて輩も出てくるんだからさ。入居するときに一回だけ
払っただけど以後は一度も払っていないなんて長屋の連中もいるんだ。」
「それで大家さんは暮らしていけるのかなぁ。」
「大家さんといっても、長屋の管理を頼まれているだけで本当の家主は違うというケースが多かった。大家さんも
給金もらっているからねぇ。困らない。家主も大店の隠居だったりしてね、今とは金銭感覚が違うのかもしれないな」
「いい時代ね。」
「他にもあるんだ。掛け取りの弱点をつくというのもある。芝居好きならばね、芝居仕立てで断りをするし、喧嘩好き
ならね、喧嘩をふっかけて追い返してしまう。なかにはプロもいるんだ。」
「へぇ。追い返す専門家で料金を取るというわけ?」
「そういうこと。」
「どうやるの?」
「何にも言わずににね、“睨み返す”というわけだ。・・・・・わかるかい?」
「ただ“睨む”わけなの?」
「そう。強もてだよ。気の弱い奴は帰るでしょ・・・・よ。」
「でも、相手も掛け取りのプロを雇うなんてことはないの?」
「なるほどねぇ。・・・・・うん。・・・・でも掛け取りのプロ自身が自分の借金の言い訳をしなければならないとしたら?」
「そういうことね。・・・・理解・理解。」
「でしょ。」
「席亭さん。貴方はまさか掛け取りが来るなんてことはないのでしょうね。ちゃんとやってるのでしょ。仕事に
詰まっているなんて言うから心配よ。」
「あのう・・・・・・・・・・・・・さ。」
「なによ。」
「息子は、どうしてるのかな?」
「いきなりなによ。聞けるような立場だと思っているの?」
「いません。逢えるとも思っていません。たしか中学三年生だよね。」
「高校一年よ。」
「そうか。みっともないよな。私は・・・・・・・・・」
「貴方のことは亡くなっているということにしてあるの。」
「・・・・・・・・・・・・・そうだろな。そう思っていた。」
「何が聞きたいの?」
「もう・・・・・・・いいんだ。」
「陰でこっそりなんてのもいやよ。」
「だから!もういいんだよ!・・・・・・・・ごめん。」
「静香ちゃんはいくつになったの?」
「23歳だ。」
「あの時代では結婚してなきゃいけないんでしょ。」
「京都で三味線や踊りの師匠をしている。いい女になったよ。」
「お静さんは?」
「江戸で一人暮らしさ。時々は行っている。普段の生活は吉静さんにお世話になりっぱなしということかな。」
「そう。きぬ太君がよく来てくれるのよ。だから席亭さんの近況はわかっているの。」
「あいつがねぇ。私は息子だと思っているよ。」
「実はね。きぬ太君が来ることになっているのよ。席亭さんと忘年会をしようと思ってさっき連絡したの。」
「へぇ。来るのかい。じゃぁ、吉静さんも呼ぼうよ。いいでしょ?」
「いいわよ。このさいだからみんなよんじゃわない?」
「お静さんや静香ちゃん、勝っあん夫妻とか与太郎さん夫妻とかかい?」
「そうよ。賑やかなほうがいいでしょ。年末大忘年会てのはどう?」
「今 一空さんも呼ぼう。もちろん、ガイドさんもね。・・・・・・ガイドさんよろしくどうぞ。」
「はい。」
「ね、ガイドさんは私の守護神でね、いつもそばにいてくれるんだ。ありがたい方です。」
「席亭さんとガイドさんはどんな行き会いなのですか?」
「それは言えません。誰にもね・・・・・・・・・・・・」
「みなさんはいつ頃みえるのでしょうね。」
「時間がかかりますよ。江戸から来る人が早いでしょう。他の人はいろいろありますからねぇ。」
「そうかもしれないわね。」
「うん。宗助さんもよんでくるようにしてあるから。」
「もう一人、忘れていないかしら・・・・・・・・謎のフランス人・・・・・」
「そうだ。ジュトジュ・デ・ニジュ氏ですね。」
「そうよ。きっといいお酒を持ってきてくれると思うわ。」
「そうそう。わすれてはいけませんよ。失礼になる。でも今晩はオールスターですねぇ。」
「楽しい夜になるでしょうねきっと。」
「うんだ。うんだ。誰が一番乗りかなぁ。」
「きぬ太君よ。一番近いもの。」
「ガイドさん一行も時空間を超えてくるので早いと思うよ。」
「今晩は。席亭さんご無沙汰です。」
「やっぱり、きぬ太君が一番よ。・・・・あらっ、ジュトジュ・デ・ニジュ氏も一緒なの?」
「はい。今晩は我々は裏方です。カウンターの中で美味しいお酒を造ります。ね、ジュトジュ・デ・ニジュ氏。」
「はい。美知子さんは席亭さんの隣りでくつろいでください。」
「それはよくないわ。私がやりますから。」
「気にしないで下さい。我々には趣向があるのですから。お任せください。」
「ふたりがああまでおっしゃてるんだ、甘えさせてもらおうよ。」
「そうなの。じゃぁ。お願いします。」
「次は吉静さんですよ。さっき車ですれ違いましたから。ほら駐車場で音がしたでしょ。」
「美知子さん。今晩は。あらま。さっきの車はやっぱりきぬ太君だったのね。ジュトジュ・デ・ニジュ氏もご無沙汰ね。」
「今日は二人が趣向を用意しているらしいのよ。」
「そうなの。じゃ、これは差し入れね。おつまみには最高よ。日本酒ピッタリ。ジュトジュ・デ・ニジュ氏が来られると
思ったのでねぇ。」
「さすがは吉静さんだぁ。これはいいですよ。戴きます。」
「きぬ太君。材料庫のものはなんでも使ってね。」
「はい。」
「そろそろガイドさん一行が来る頃なんだけどねぇ。」
“皆さん。お待たせしました。後方の大きなテーブルに注目してください。お一人づつ送らせてもらいます。”
それから、お静さん、静香ちゃん、勝っあん夫婦、与太郎さん夫婦、宗助さん、そして「バーチャル亭」からはなんと
桂 志ん生さん。古今亭文楽さんが現れました。
「あらまぁ、師匠達もいらしてくださったのですか。これはどうも・・・・久しぶりですねぇ。」
「バーチャル亭のほうはどうですか。」
「盛況ですよ。横川志の輔なんて有望な新人もでてきましてね。」
「そうですか。」
「席亭さん。お静さんや静香ちゃんに挨拶はしないの。逢いに行ってないのでしょ。」
「美知子さん。今日はお招きいただきまして有難うございます。」
「お二人とも席亭さんの隣りに座りなさいね。」
「お父様。なかなか逢えませんね。いつでもいいのですよ。」
「すまない。お静さんから頑張っていると聞いていますよ。」
「席亭さん。いきのいい魚を持ってきたよ。皆さんでつまみに食べてくださいな。」
「勝っあん。いつもすまないねぇ。芝浜のほうはどうだい。」
「あいかわらずよぉ。店もね、暖簾分けして三軒になったんだ。」
「そりゃぁ。なによりだ。お崎さんに感謝だね。」
「席亭さん。なに言ってるの。みんな勝っあんの働きだよ。」
「いい奥さんだよ。お崎さんは・・・・・・・・」
「あたしより・・・・・・・お静さんに感謝しなさいな。いいかい。」
「そりゃ・・・・・・もう・・・・・・・・・」
「お崎さん。席亭さんもいろいろあるんだよ。怒りなさんなよぉ。」
「与太郎さんは席亭さんびいきだからねぇ。今は立派な和菓子屋の旦那だものね。」
「席亭さんから新製品を教えてもらってるおかげだもん。」
「まあまあ。皆さん料理も出来ましたので、このへんで乾杯といきませんか。」
「いよぉ。きぬ太君。待ってました。」
「では今回の日本酒のソムリエであるジュトジュ・デ・ニジュ氏にお願いしましょう。」
「それでは・・・みなさん杯をあげましょう。用意はいいですか。・・・・・・・乾杯!」
「乾――――――――――杯!」
「美味しい日本酒ですねぇ。ジュトジュ・デ・ニジュ氏。これはどこの産地なのですか?」
「はい。これは山形のお酒です。たくさん持ってきていますから存分にやってください。」
「噺家のお二人には後で座興をやってもらいましょう。」
「席亭さん。もう一人メンバーが欠けていると思いませんか。」
「エッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか、今 一空さんがいませんね。」
「今 一空さんっていまひとつ正体がわかりませんね。所在もわからない。」
「これは噂なのですが。今 一空さんは席亭さんの影法師ではないかというのですが。どうなんですか?」
「それはないですよ。全くの別人です。でも直に現れますよ。」
「今晩は・・・・・・遅れました。」
「ほらね。」
「席亭さん。やっぱり影法師じゃないですか。」
「違います。今 一空さん。待っていましたよ。どうぞどうぞ。まずは駆けつけ三杯ってとこですね。」
「戴きます。・・・・・・・・・・・・うーーん、これは山形の酒ですか?」
「さすがは今 一空さん。通ですねぇ。正解です。」
「お父様。お注ぎします。どうぞ。」
「おっ。嬉しいなぁ。ありがとう。」
「席亭さん。いやぁお二人・・・・・・・・・・・・・・よぉ、できました。」
「馬鹿。親子の間でできましたもなにもないでしょう。」
「冗談ですよ。それにしても勝っあんの持ってくる魚は本当に美味いよ。」
「でも与太郎さんがもってきた菓子じゃ酒は飲めないねぇ。」
「そんなことないわよ。お静さんは飲める口じゃないほうだから、さっきから美味しそうに食べてるのよ。」
「ええいつも江戸では買っているのですがいつ食べても美味しいもの。」
「お静さん。ありがとうね。おいら、そういうお静さんが好きだなぁ。」
「与太郎さん。席亭さんの前で何を言うんだ。」
「いいんですよ。なぁお静さん。」
「ええ。与太郎さんの奥さんは可愛い人ね。子供さんもとっても無邪気なの。いい家族よぉ。」
「皆さん。私のレストランでお薦めのワインです。日本酒ばかりじゃなくてこちらも飲んでください。魚料理にも
合う様な物を選んできましたから。」
「ジュトジュ・デ・ニジュ氏には申し訳ないけど、そろそろ他の酒もと思っていたところです。いいですねぇ。」
「美知子さん。」
「なんですか?勝っあん。」
「あっしはね、ワインというものがあるってのは席亭さんから聞いていたんでね。やるのは初めてなんだ。
こんな血みたいなものなんですか。」
「ああそうねぇ。赤ワインていうのよ。ブドウを原料にして作るからこんな色になるのよ。血ではないから飲んで
みてください。」
「へい、じゃぁ戴きます。」
「どうかしら。」
「いい匂いがしますねぇ。ジュトジュ・デ・ニジュ氏の日本酒と似ている様な気もしないではないかな。」
「美知子さん。勝っあん夫婦に帰りに白ワインも含めて何本か持たせてあげたら。コルクを抜くやつも一緒にね。」
「そうね。じゃ・・・・・江戸の皆さんに年末のプレゼントとしようかしら。」
「うん。それはいい、お願いします。」
「あのう私にもいただけませんか。」
「今 一空さん。あなたはいつでもこられるのですから飲みたい時にいらっしゃいな。」
「はい。そうですね。」
「与太郎さん。聞きたいことがあるんだけどね。」
「なんですか。席亭さん。」
「この頃、孝行糖を売っているんだって。」
「はい。お世話を戴きまして扱っています。街に売りに行きますよ。」
「そうか。じゃねぇ。忠告をしよう。水戸様の御門の前では商売しないこと。いいかい。」
「はい。武家屋敷では売れないので行きません。」
「そうだ。そうれがいい。行ってはいけません。」
「宗助さんは夜回りを続けているのですか。」
「いえ、江戸では銀座上総屋店の営業が忙しくて行けません。」
「そうですか。支配人をお願いしているのですからねぇ。宜しくお願いします。」
「はい。」
「勝っあん。芝浜の方はどうですか。」
「いい魚があがっていますよ。商売の方も上々ですよ。」
「それは今とは違いますねぇ。温暖化とか海洋汚染なんてないのでしょうからねぇ。」
「え?何のことですか。」
「いえねこっちのことなんですけど・・・・・・・・・・」
「席亭さんのほうはどうなんですか。仕事はうまくいっているのですかねぇ。」
「それを聞かれると弱るんだなぁ。余り調子が良くないんだ。書斎に一人こもっていることが多くなって気分は
落ち込むのみだよ。」
「それはよくないですよ。外に出て身体を動かして爽やかになって仕事をするとか、旅に出るとかねぇ。」
「吉静さんと旅に出るとかなァ・・・・・いろいろあるだろうにさ。」
「おいおい、お静さんの前で言う話じゃないでしょ。」
「知っていますよ。時代が違うのだからしょうがない。」
「まぁな、でも静香ちゃんにはしーーーーーーーーーだよ。いいかい。」
「そりゃそうさ。大丈夫だよ。」
「たのんだよ。もう・・・・・・・・・・・・・」
「さぁさ。皆さん。今晩は年忘れの無礼講ですよ。どんどんいきましょう。きぬ太君も宗助さんもこちらにきて
やりましょう。」
エピローグ:
席亭さん達の宴会はこうして時を過ぎていきました。時を越えて集う人たちの世界がここにあります。
「大晦日の鐘は百八つ。でもそこで鳴り止まずに百九つ目の鐘が鳴り続けたらどうなるでしょうか。」
中島みゆきさんの提言です。人間の煩悩は百八つでは納まらないのではないでしょうか?
とすると、百九つ目の鐘はなんなのか。彼女のメッセージがここにあります。
恐ろしき煩悩が人を支配することのないように願うのみです。
打ち上げは師匠達の落語です。
桂 志ん生 「掛け取り」
古今亭 文楽 「睨み返し」
名演でした。それでは皆さん良いお年をお迎えください。
−完−