二代目 桂 春蝶 師匠編

  


残念ながらもう亡くなられてしまった師匠です。若くして……実に惜しいですね。

ガリガリに痩せていましてね、目ばかりギョロつかせていたような印象を受けます。

その実力たるやたいしたものでしてね、御健在でしたら今や上方落語の一角をになう

ような噺家さんになっておられたと思います。「蒲柳の質」という言葉が似合うような

師匠でした。

早くに亡くなられたので余りライブラリーを持ち合わせておりません。 

レパートリーは他にもあります。 

それにしても余りにも早くに亡くなられてしまいました。訃報を知ったときは、なんとなく

そうかもしれないなと思ったものです。か細い体から精一杯声を張り上げて高座を

勤めておりました。悲壮感さえ感じたものです。

噺家さんの中には比較的早くなくなられる師匠がおられます。

馬の助師匠、小染師匠、歌笑師匠、三平師匠、それに枝雀師匠などなど。

他にもおられるでしょう。

その才能を開花することもなく夭折してしまった噺家さんのなんとおおいことか。

席亭が会えなかった噺家さんも多いですよ。そのほうが普通かな。

今はメディアを通いてしか聞けない噺家さん。寂しいけどでもね、できるだけ聞きこむ

のが席亭のライフワークと考えています。

 

二代目 桂 春蝶

犬の目   ピカソ

二代目 桂 春蝶

崇徳院

二代目 桂 春蝶

三枚起請(上)

二代目 桂 春蝶

三枚起請(下)

 

「犬の目」…………という噺

 

落語の中にはケチな人物が出て来ます。よく、「赤西屋けちべい」などという名前を

つけられたりしています。上方では「しわい屋」などと呼ばれております。

すごい逸話がありますよ。

  

節約をする方法:

l        梅干を見て、酸っぱい唾液がでるので、それをおかずにご飯を食べる。

l        醤油汁に箸をつけてからご飯を挟んで食べる。醤油は余り減らない。

l        鰻屋から流れてくる蒲焼の匂いをおかずにご飯を食べる。

などなど。中にはすごい人がいてね、農家の人が菜っ葉を積んで売り歩いている。

それを買う振りをして。土間に茣蓙を引いて菜っ葉をひろげさせる。するとなんやかや

難癖をつけて値切るがその値切りようがひどいので農家の人は怒って菜っ葉を

片付けて帰ってしまう。当然、茣蓙に葉っぱの屑が残る。これを集めておかずにする

というわけ。ただで菜っ葉を手に入れるという方法ですね。

暑いときには扇子を使いますが、使うと扇子はいたむ。そこで扇子で煽がずに、扇子を

顔の前に置いて顔のほうを動かすという話。

人間の目は二つあります。片方でも見ることができるのでね、両目を使うのはもったい

ないと思った男。片目だけで長い間生活をする。そのうち目が悪くなってきたので

残っていた片目を使うことにした。目をあけて世間を見ると知っている人が誰もいなかったという男の話。

実に落語らしいけどひょっとしたらこのような人間がいるのではないかと思わせます。

この話に似たのが「犬の目」でしてね。悪くなった目を犬の目と交換するという話で

交換した時からすっかり犬の了見になりましてね。電信柱などを見ると足をあげて

おしっこをしたくなるというようなことで………

次から次に犬の習性になってしまってね、犬と同じような行動をしてしまうという男の

話です。新作なのですが、よくできた噺ですよ。

落語にはこのような荒唐無稽なものがあります。

「あたま山」とか「首提灯」、「粗忽長屋」などでしょうか。

 


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