立川志の輔独演会 IN 中野ZEROホール

2007年6月19日 1300人の客を迎えての独演会です。
小生は中野ZEROホールは初めて訪れる場所でして予め地図で調べておいたのですが見事に迷いまして、人様に
聞きながらの到着でした。二階席の階段の急さに、「お年寄りには危険なホールだな。つまいづいたら一階に落ちる」ような感じでした。なにしろ前の手すりが低いので防護にならないのです
一席目:立川メンソーレさん
名前からして解るように沖縄出身で、四番目のお弟子さんです。早口で覚えた落語をまくしたてるだけでしたね。
二席目:立川志の輔 「千両みかん」
先日、TBS落語研究会の放送で流されました。
枕は「異常気象」もついてを話題にしていました。年金問題についても論じていましたね。
この噺、入りは若旦那が患っていて何人の医者に見せても原因がわからない。最後の医者が心にわだかまってい
るものがあるということに。この辺までのくだりですと、「崇徳院」かなぁと思ったのですが、番頭が様子を聞きに行くので「千両みかん」だと解りました。職人が寝込んでいてね。町内の頭が様子を聞きに行くとなると「紺屋高尾」か「幾代餅」てことになるわけですがね。夏の時期に「みかん1個10房で千両」ですから番頭の様子がおかしくなるのも当然かもしれません。志の輔師匠は途中に八代目 桂 文楽師匠の「寝床」の名場面を取り入れていたのですがお客さんは反応しませんでしたね。思わず「黒門町!」と声をかけたくなりましたねぇ。
三席目:立川志の輔 「へっつい幽霊」
枕は「幽霊」についてで円山応挙の絵などをあげて話していました。「へっつい」が若い人には解らないだろうと説明するのですが、ますます解らなくなると言う始末でね。談志師匠が「わからない人間にはどう説明しても解らないものだ」と言っているとおりです。「へっつい」は上方の言葉です。「へっつい盗人」という噺もあります。
博打で大当たりした男。フグにも当たってあの世行き。冥土の・・・金次第てなことで、亡くなる前に埋め込んだ
「へっつい」の中の金が欲しい。気が残っているから夜中に出てきて「金を出せ」とくるわけですね。
それにしても最後まで博打で決着をつけようというのは凄いですねぇ。
「千両みかん」は八代目 林家正蔵師匠や五代目 古今亭志ん生師匠、十代目 金原亭馬生師匠、小三治師匠などの高座が思い出されます。大店の若旦那というと多くは吉原遊びで勘当の身というわけですが、なかには恋わずらい
なんてデリケートな御仁もいますな。究極が「みかん」に恋した若旦那でしてね。息子可愛さに夏場に「一房のみかん」を千両で調達した大旦那がいたから、噺はややこしくなってくるというストーリーでして、「価値観の交錯」ということなのでしょうね。
お気に入りの壷、1000万円はすると思っていたものが鑑定団にだしたら1000円だったてなもんですねぇ。
「へっつい幽霊」も金に対する人間の執着心がテーマです。「金が欲しいから博打をする」のか「博打をしたいから金が欲しい」のか、「価値観の交錯」という意味では「千両みかん」と同じでしょうか。
ひょっとして志の輔師匠の狙いもこの辺にあったかもしれませんねぇ。
この日は志の輔師匠の体調が悪かった。夏風邪ということでした。ホールの大きさを嘆いていましたね。
小生も同感ですが。落語は100−200人位のスペースでやるべき芸なのですね。浅草、末広、池袋、鈴本などは
丁度いいのです。しかしホール落語となるとPARCO劇場や大宮ソニックシティー、読売ホールなどですし、地方に行けば文化会館なんてところでやることになる。1000人以上は入るスペースとなる。
横浜にぎわい座みたいなものが増えてほしいですね。