立川志らく師匠編パート2


 

志らく師匠は家元・立川談志師匠の弟子ですから、少なからず家元の影響は受けている。噺家になろうとする者に

とって、どの師匠に入門するのかは重要なことでしょう。

好きな師匠に入門するというのが多いのでしょうけど。実際はいろいろな動機があるようです。

入門できたからといって、手取り足取り落語を教えてくれるということはないらしい。

師匠が三度やってみせてくれて、それで覚えなくてはいけないそうです。聴いて覚えるのですが、三度というのは

厳しいですよね。つまりは師匠の高座などを楽屋で聴いておぼえたりするのでしょうか。

師匠の口調を真似ることからはいるといいなどと言われたりもするそうです。

志らく師匠や志の輔師匠の高座を拝見していると、ときたま家元の口調や仕草などが見え隠れします。

当然でしょうけど。家元の個性が強すぎますものね。

志らく師匠は少年時代を浜松で過ごしております。お母様が浜松の出身だとか聞きました。

浜松というところは気候が温暖な土地です。人々も都会のようにぎくしゃくしておりません。

名物はご存知、うなぎですが、浜名湖では取れなくなっているようで、豊橋から持ってきているという。

土地は平坦でして歴史のある街ですね。家康の地元ですよ。

浜松城は家康の居城です。今ではすっかり発展してしまって、駅前は高層ビルがたち、未来都市の様相を呈して

いる。名古屋・京都・大阪に近く、東京にも新幹線で1時間30分です。

ところで志らく師匠には意外な一面もある。映画監督なのです。三本くらい作っているそうです。協会にも所属して

いるのですから、本格的ですよ。志らく師匠のネタに「シネマ落語」がありますでしょ。うなづけますよ。

前編にも書きましたが志らく師匠の落語の本質は映画ではないかと考えています。

落語に登場するお馴染みの人物たちに独自の演技をつけているのではないでしょうか。

落語を演出する。それも映画的な視覚に訴える、というか客のイメージに訴えているような落語ですよ。

こっちがイメージできなければ負けということになる。

シネマ落語の下敷きになっている映画を観ていなくても、イメージを持つことができる落語。

志らく師匠のシネマ落語はそうした面白さがあります。

 

 

立川志らく

火焔太鼓

立川志らく

松竹梅

立川志らく

鮑のし

立川志らく

堀ノ内

立川志らく

大工調べ

立川志らく

青菜

立川志らく

宮戸川

立川志らく

子別れ

立川志らく

粗忽長屋

立川志らく

たいこ腹

立川志らく

小言幸兵衛

立川志らく

洒落小町

 

これらの演目のほかにも「シネマ落語」がかなり多くあります。

何作くらいあるのでしょうか。わかりませんが。いくつか聴いたものはみな傑作でした。

最近では「素晴らしきかな人生」を拝見しました。

それと「たがや」的な雰囲気のある「天国のチャンピオン」でしたかな。

ある人から、志らく師匠は志の輔師匠から多くの影響を受けているということを聞きましたが、「落語は人間の業だ」

と言い切っている家元に憧れて入門しているのですから、やはり家元の影響や大なるものがあるということ

でしょう。

若くして弟子が十人もいる大所帯です。さぞかし大変でしょうけど。志ん朝師匠亡き後、次代を担うのは志らく師匠

の双肩にかかっているわけです。もちろん他の落語家さんも責任があるわけですけど。

一度に十人もの真打を昇進させて、顔ぶれを見ると?と思うような印象を客席に持たせる協会の姿勢には

円生師匠ならずとも批判を禁じえません。談志師匠が協会に復帰することはないでしょう。

テレビやVTR、テープという形で落語に接することは落語の本質にであえていないわけですが、間に合わなかった

噺家さんの落語に接するには、それしか手段が無いとも言えます。

八代目文楽、五代目志ん生、五代目円生、八代目柳枝、三代目柳好、三代目金馬、六代目円生、八代目可楽

高座で出会うことがなかった人達が少なくないのですから。

高座が寄席からホールに変わっていくのは仕方が無いことかもしれません。が、噺家と客が向かい合っている

状況だけは失いたくないと思っています。

国内各地に多くの「・・・落語会」ができています。ボランティアとして落語会のセッティングに携わっている方々が

たくさんおられます。

日本旅館の二階の広間を使って、せいぜい100人程度の地元の人達が集まり、落語家産を呼んで、一時の落語の

時間を楽しんでいます。これって寄席そのものでしょう。常打ちでないだけが違っているわけです。

忙しい現代人のこと、毎日落語を聞きに行くことはできません。月に一回、二月に一回開かれる、こうした会が

二十一世紀の落語の発展に寄与していくものと思います。

とある電車の中で、こんな会話を耳にしました。

「落語って何語。どこの言葉?」

どこかの国の言語だとも思っているのでしょうか。おそろしいことですよ。

こうならないように客席も頑張らなくてはいけません。

 


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