林家 たい平 師匠編


 

林家三平一門の新進気鋭。タレント活動にいそしむ林家三平一門の中で噺が面白い。

笑点メンバーで顔は知られているでしょう。たい平師匠は秩父の出身です。

伸び盛りの噺家であろう。古典は「たい平」落語を垣間見る事ができる。

下表にある「元犬」という噺はご存知だろうか。

犬が人間になりたくて願をかけて見事、人間になるが犬の素性は隠せない。

噺の所々に犬の習性が出るという落語ならではの噺。

落語の原本のような「たらちね」。お屋敷奉公の娘が一介の無学な若者のところに縁あって

嫁いでくる。この娘さん、話し言葉が高貴すぎてまるで通じない。

昔はこんなことはなかったのであろう。いわゆる身分がやかましい時代なのだから。

落語でのパロディーなのであろう。

「たらちねのようなもの」という噺も面白い。現代版「たらちね」。この辺に「たい平師匠」の

可能性を感じる。

「たがや」などでは花火の打ちあがる音を床と口笛と座布団を使ってうまく表現している。これも

工夫です。こん平師匠の弟子ですが、師匠は今体調を崩されている。心配ですね。

早く元気な「ちゃらーーーん。」を聞きたいものです。

たい平師匠の演目では「紙屑屋」が一番良いですよ。

 

 

林家たい平

元犬

林家たい平

「たらちね」のようなもの

林家たい平

紙屑屋

林家たい平

食文化高座

林家たい平

七段目

林家たい平

初天神

林家たい平

粗忽の釘

林家たい平

たがや

林家たい平

愛宕山

林家たい平

二番煎じ

林家たい平

牛ほめ

林家たい平

反対車

林家たい平

今年の一年

林家たい平

たらちね

林家たい平

短命

林家たい平

湯屋番

 

「短命」・・・・・・・・・・・・・・という噺

 

 ある日、横町のご隠居のところに、熊さんが尋ねてくる。どうもご隠居という 

 のは横町に住んでいるものと噺の世界は決まっているようで。

 熊さん、ご隠居にこう尋ねる。「伊勢屋の旦那がまた死んじゃって、御店は

 大変な騒ぎでねえ。」

 「ちょいと熊さん、まっておくれな。人が何度も死んだりするもんかえ。」

 「そうじゃねえんだ。ちょいと話しをきいてくんな。」

 「実は、伊勢屋には一人娘がいて、これが良い−−−−女。年頃二十七、八

  だけれど、十九、二十歳といっても通じる若さ。婿さんを迎えたんですが

  その仲のいいのというのは他じゃない。あっしが御店の植木を手入れしてい

  て、座敷の中を見るてえと、若旦那夫婦が差し向かえで、食事時。

  二人寄り添いながら、あーーんなんてやっている。見ちゃいられねえ。」

 「そうか、気の毒をしたなあ。」

 「伊勢屋の旦那は良い人で、貧乏人には色々功徳をしている。あっしなんざ、

  淋菌を治してもらってるんだい。人に功徳を施せば回りまわっていいことが 

  あるっていうけど、全然いいことなんかねえじゃねえか。」

 「そうか、旦那は昼間は暇なんだろ?」

 「そう、店の方は番頭に任せているから何にもやることがない。

  朝から晩まで二人きりで。」

 「そうか、それだな。」

 「へっ、なにが」

 「わからんかな、熊さん。女房はふるいつきたくなるような良い女。

  朝から晩まで二人切りだ。回りは誰もいない。なあ・・短命だろ」

 「短命?なんだいそれは?」

 「命が短いことを短命というんだ」

 「へえーー?なんで短命なんだろねえ」

 「わからないかい。察しが悪いねえ。いいかい。奥の座敷で二人切り。

  前を見ると良い女。なあ。食事の時なんざ。二人で仲良く・・」

 「そうなんだよ。ご隠居。あっしは一度見たことがあるんでえ。もう見ちゃ

  いらんねえ。旦那の口に箸で運んであげて、おいちでしょだ。あっしゃ

  思わず植木から落っこちた。」

 「そうだろ。箸でやったりもらったりしているうちに、手と手が触れる。

  短命だな。」

 「ええ。わかんねえな。手と手が触れる・・・・そうか指の先に毒が・」

 「馬鹿なことを言っちゃいけない。わかんないかなあ。もう。

  いいかい、前を見るとふるいつきたくなるような良い女。熊さんは、

  所帯を持ったとき何をしていた。女房と差し向かい。そのまんまでいるかい」

 「えっ。あっし?そりゃ女房をもらった時なんざ。昼間っから。・・

  えっ。あれっ。あれなの? そうかわかった。昼間三つ夜三つてえやつ。

 「やっとわかったようだねえ。何事もすぎちゃいけないってえことだ。」

 「そうかそりゃ短命だよ。その当座、昼も箪笥の竿が鳴りてえ。

  わけがわかれば隠居には用がねえ。さいなら」

 と長屋に戻ってきた熊さん。

 「おい今帰った。腹が減ったメシをもってくんな。」

 「何?メシをもれ。おまえなんざ十年早いよ! メシ喰いたかったら、自分で

  もりやがれえ」

 「すげえな。うちのかかあは。いいからメシをもれ!てんだ。」

 「しょうがないねえ。ほらよっ。」

 「この野郎投げてよこしやがって。ちゃんと手渡せ。」

 「何を、手渡せ。すっとぼけんじゃないよ。面倒くさいねえ。」

 「ほら。こうすりゃいいんだろ!」

 「そうだよ。こうして手と手が触れる、前を見るとふるいつきたくなるような

  いい女。・・・・・・おっかあ、俺は長生きだ。」・・・でオチ。

 

 大店のお嬢さんと長屋の女将さんの落差、暮らしの違い。

 それにしても伊勢屋の旦那さんは、三人変わったが三人とも

 短命だとは、美人の女房を持つことが幸か不幸かわからない。

 江戸の庶民のお話でした。 

 

 


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