アルバム「賢治の幻燈」を語る


賢治の世界

巻頭に「宮沢賢治」の詩が綴られている。

 (一部表記を現代語に直しております)

  わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも きれいにすき

  とおった風を食べ 桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。

  またわたくしは はたけや森の中で ひどいぼろぼろのきものが

  いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに かはって

  いるのをたびたび見ました。

  わたくしは そういうきれいなたべものやきものをすきです。

  これらのわたくしのおはなしは みんな林や野はらや鉄道線路やらで

  虹や月あかりからもらってきたのです。

  ほんとうに かしはばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり

  十一月の山の風のなかに ふるえながら立ったりしますと 

  もうどうしても こんな気がしてしかたないのです。

  ほんとうにもう どうしてもこんなことがあるようでしかたないという

  ことを、わたくしはそのとおり書いたまでです。

  ですから これらのなかには あなたのためになるところもあるでしょう

  し ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、

  そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところ

  もあるでしょうが、そんなところは、わたくしにもまた、

  わけがわからないのです。

  けれど、わたくいには、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、

  おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを。

  どんなにねがうかわかりません。

             大正十二年十二月二十日  宮沢賢治



 このアルバムの中で賢治の詩は「オッペルの象」と「かしはばやしの夜」

 アルバム「光降る朝」に収録されている曲も多い。

「光降る朝」と同じく、プロローグとエピローグには同じ曲で締めくくられ

ている。ただし、こちらは「銀河鉄道の夜」

「ナーサリー・チャイムス」では上野洋子さんが「マザーグース」を

このアルバムでは吉良さんが「宮沢賢治」をとりあげている。

偶然ではない何かを感じます。



賢治の幻燈 Prologue 銀河鉄道の夜
双子の星
オッペルと象(第一日曜日)
グスコーブドリの伝記
オッペルと象(第二日曜日)
かしはばやしの夜
やまなし
水仙月の四日
オッペルと象(第五日曜日)
よだかの星
Epilogue 銀河鉄道の夜

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