ゴジラ東京湾に出現。
東京湾に現れたゴジラは、 京浜芝浦に上陸した。
万を辞して先の電流の流されたバリケードは、意図も簡単にゴジラによって突破されてしまう。
特設災害対策本部は、港区、大田区、品川区民に避難勧告を発令。
ゴジラは口から恐るべき放射能を吐き、芝浦一帯を業火に包んだ。
防衛隊による戦車、火砲による攻撃をものともせずにゴジラは、その強大な破壊力を持って、ビル、橋梁、鉄塔、そして鉄道架線などを次々と破壊し尽くしていった。
ビルの谷間にうずくまる母子も、容赦なく犠牲にしまう程の凶暴さ、非情さをもって突き進むゴジラには、まさに獣の本能しかない。
被害は、芝浦、田町、新橋から銀座そして上野、浅草一帯に広がった。鉄塔の上から自分の命さえも省みず実況中継していた報道スタッフをもゴジラは、非情にも捻り潰してしまったのである。
ゴジラの通った後には焼け野原となった廃虚が残された。
防衛隊に依る陸、海、空の攻撃は、ゴジラの侵攻を防ぎきれず、政府は有効な攻撃方法についてなす術を失ったのである。
水爆の落とし子ゴジラの前に、文明の利器は一切通用しない。
オキシジェンデストロイヤー
芹澤博士は、酸素の特性に関して研究しているうちに水中の酸素を一瞬にして破壊し、生物の細胞を溶かしてしまうという"オキシジェンデストロイヤー"を発明してしまった。その威力を初めて眼にした山根江美子は、すさまじい光景に卒倒してしまったのである。
芹澤博士は、このオキジェンデストロイヤーを何とか兵器としてではなく、平和利用出来るものにできないか研究を進めていた。
山根恵美子は、ゴジラによって破壊された廃虚の中、被災した少女を抱き上げながら、この悲惨な状況に耐えられず、南海サルベージの緒方にオキシジェンデストロイヤーの存在を告げた。
緒方、恵美子の必死の願いに芹澤博士も説得され、オキシジェンデストロイヤーの使用を承諾した。芹澤博士は、オキシジェンデストロイヤーに関する全ての資料を焼却した。